笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

「武士道セブンティーン」・誉田 哲也









「武士道セブンティーン」・誉田 哲也



早苗は成績重視・結果主義の剣道強豪高へ、香織は個人主義から部に忠義を尽くし始める。ふたりの武士道の時代(研究中)が幕を開けた―。新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、正面打ち二本目。




 前作よりも二人の気持ちの距離間も狭まった感じで・・・・(物理的な距離はかなり遠いけど)

 とても、青春でした☆



 「部」での勝利のため、色々なことを考え実行に移してゆく香織。

 相変わらずの思考は変わらないようで、でも何かが確実に変化している。

 香織と周りとの関係も「剣道」を通して深まってゆく。



 そしてそれは、早苗がかつて居てくれたからこその結果であるような気がしました。

 香織ももちろん、彼女の存在が自分を変えてくれたことは承知している。

 だからこそ、大切な存在。




 新しい土地で剣道をすると決めたことすら言えずに転校してしまった早苗。

 しかも新しい剣道部の雰囲気にもいま一つ馴染めず。昔(と言っても一年前)を懐かしむばかり。

 自分の剣道を徐々に失い始め、剣道を続けてゆくことにも疑問を抱き始める。



 久しぶりに会うのに声がかけられない。笑えない。泣きそうになる。

 しかもこの早苗の微妙な心情を香織は汲み取れない・・・・・(ここが、ややこしい)




 「剣道」とは「武士道」とは何か。

 彼女たちが自分たちで必死に答えを見つけようとするその姿勢が何とも清々しかったです。

 「試合を収めることができるのが武士道」

 この物語で、たびたび目にした表現でした☆

 あてっこ剣道やスポーツ剣道ではない、武術としての剣道。

 はぁ~なるほど。

 同じことをしているようでも、その一人ひとりがそこに何を求めているのかは、分からないもんですね^^;

 



 見付けてゆく答えは、きっと始めから準備されていたもの。

 たどり着いた二人は、きっとそこからまた強くなる。

 彼女たちの武士道は、ここからまた新しく始まる。




 清々しかったです。随所で笑えたり泣けたり。

 前作よりもはるかに内容が濃かったかも・・・・ワタシ的には★