笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

「その日のまえに」・重松 清









その日のまえに」・重松 清



僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか…。死にゆく妻を静かに見送る父と子らを中心に、それぞれのなかにある生と死、そして日常のなかにある幸せの意味を見つめる連作短編集。




 ついに読みました・・・。

 一度借りても読めずに返却。今度こそは!と意気込んで借りてきて・・・・



 号泣。



 うぅぅぅぅ。  ぅぅ。        ぅぅっ。





ひこうき雲


 長く生きすぎてしまった人の流す涙は、ガンリュウの―大人になるまで生きられなかったひとの流した涙と同じだと思った



 おばあちゃんとかつての同級生との対比が何とも切なく、残酷でした。

 みんなで書いた色紙も。

 子どもでも分かる、感じる現実。大人になってから分かる事実。

 いつか大人になることをみんなに約束されてるわけじゃない。その現実を体験して大人になるって、どんなんだろう?





朝日のあたる家


 この物語だけ・・・・他とリンクしなかった感じ。違いますか?

 永遠はない

 フクちゃんの言いたいこと、すごく良く分かる。ワタシも同じこと体験したし。



 甘いんじゃないかなって思う気もするけど^^;

 フクちゃんの言葉一つ一つがワタシの中でとても気持ち良く広がっていったので。

 まあいっか。そんな感じで納得★





潮騒


 自分に降りかかるこの出来事を、こんな風に受け止められるかなぁ。

 ほんの少し、この潔さにあこがれたりしました。



 今はそう思う



 これからはどうなるか分からないし これからがいつまで続くか分からない。

 最後の最後で登場されてまた、ワタシの涙は止まらなくりました。





ヒア・カムズ・ザ・サン


 トシくんとカオルさんとお母さん。

 お互いを大事に思いすぎるから 不安も広がりすぎる。

 一緒に泣いて。 悲しいよって泣いて。

 そこから頑張れる勇気が生まれてくることもある。



 これからを思うと切なくて切なくて。

 それでもあったかい気持ちも広がった一編。  でした。





その日の前に


 表題作。

 いつか来る日を「その日」と名づけ その日までの道のりを淡々と過ごしてゆこうとする夫婦。

 家族。



 ワタシだったらどうするんだろう。

 いつでも顔をあげて前を向いて 「これからだよ」って  いえるかな?





その日


 新しい治療法も試すことができず弱ってゆく妻の現実を 子どもたちに伝える。

 近づいてくる 「その日」。



 「潮騒」で登場した地域の花火大会のポスターの依頼が舞い込んでくる。

 断ろうとして目を通したチラシの文句に目がとまる。

 同窓生がなくなったと知る。  読み手も、彼が亡くなった事を知る。



 駆け付けた病棟に現れる若者とその母親。

 トシくんとお母さんが頑張っていることも今の現状が厳しいこともつながってゆきます。



 それまでの一つ一つが微妙に繋がっていて・・・・・

 それがまた切なさを増してゆくのです。



 「・・・じょうぶな子に産んでやれんで、すまんかった」

 神様よりも人間の方が、ずっと優しい

 続きが読めなくなるくらい、涙が止まりませんでした。





その日のあとで


 大人になった「美代子ちゃん」が ・・・看護士さんになっていました。

 自分の絵のことをまだ気にしてたんだって。なんだかびっくりvv



 トシくんは。

 お母さんを見送りました。  残されるのが子ども一人なだけにwwワタシはチョットショック@@

 

 妻の代わりに無農薬野菜を注文。

 その気持ち何だか分かる気がする・・・・うん。




 すべてのお話のラストが花火大会で終わるの・・・なんかいい。

 そうだよね。

 こんなにおーーーーーっきい 迎え火だったら^^



 迷わないさぁ。みんな。