笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

「硝子の葦」・桜木紫乃著

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その気持が分かるようで、それでも何かが引っ掛かる










愛と憎しみは、相殺できるの?母の愛人だった男が、私の夫。愛なんて、最初からなかったはずなのに。意識を失ったままの男。漆黒の骨にしかなれなかった女。狂い出した日常―怪物たちが覚醒する。





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随分前に読んでるので
細かい内容が、記憶にないww

物語の前半の時系列が巧く掴めずに苦労したのは覚えています!
行ったり来たりなんですよね~
自分、大丈夫か
励ましつつ読んでました!


寂れた飲み屋街で起こった一つの火災事故
居合わせた刑事と
その場に取り残されていた男

中には人が居たと言う
後に一人分の死体が発見された


そうなんです
「死体は一体」
これが・・・・・・・!


後にあんなことになろうとはwww
おばちゃんすっかり騙されちゃったよぅ。


トリックも面白かったですが
それぞれに抱える鬱蒼とした心持の描かれ方がじっとりとしていて
巻き込まれそうになる瞬間があるのです

もとより望んでなかった幸せ
半分諦めて生きているような人生
それでも安定はしていたような
だからこそあのお友達を助けられたような気もするし
元妻の娘さんにも関われたような

違うのかなぁ。



愛する

と言う事は
何だろう。

騙し続けるならそれでも良いと思う
あの夫は投げ出すように死んでしまったから
彼女の人生も母親の気持ちも歪んだような気がした。


親って
何処までも親なんだ
切り離して見下したつもりでも
結局は自分の人生の出発地点に居座っている
これからを生きているつもりでもふと振り返るその景色には必ずいるのです、親が。


よくぞここまで耐えたもんだと
ワタシはその辛抱にも脱帽でしたが
そうやって生きてゆくしかないと
思うしかなかったんだろうなぁ


見つからなければよかったのに
沢山の画策を巡らせやり遂げようとしたんじゃなかったのか
それなのにどうして、写真を送ったんだ

どうして
受け取った男はのうのうと会いになんて行くんだ


逃げろと思うのならどうして。


ラスト2,3ページはただ悔しかった
いっそ逃げ切って欲しかった、ただそれだけを願ってしまった。

あの時点で会いにゆこうと思うのって
あの軽率さって
人間ってやっぱ救いようがないんだな、と

つくづく、がっかりだった。



否だからこその
物語なんでしょうけれどww