笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

『幻想郵便局』・堀川アサコ著

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この郵便局には、あなたの失くした物が届いてる。
就職浪人中のアズサは「なりたいものになればいい」と親から言われてきたけれど、「なりたいもの」がわからない。特技欄に“探し物”と書いて提出していた履歴書のおかげでアルバイトが決定。職場は山の上の不思議な郵便局。そこで次々と不思議な人々に出会う。生きることの意味をユーモラスに教えてくれる癒し小説。


BOOKDATEより




***





平積みされてまして
表紙の美しい色合いと共に、帯のお言葉

へー、そうなんだ
軽い気持ちで我が家へお連れいたしまして

女子が先に読むって言ういつものパターンに嵌り(悔!)

最近姉妹作品『映画館』も読み終えました~
多分ホラー
でも物語全体がのんびりとしておりまして、楽しみました
ほんの少しもぞくりとはしなかった。


郵便局を訪れる方々の人生のどこかに
何かしら共感出来る瞬間が仕込まれているのですよね、だから
場合によっては結構泣けちゃうって言う
と言いますか結構泣かされました、思いがけず。

功徳手帳、ワタシも欲しいなぁ

色んな方々が郵便局を通り過ぎてゆく中
ひとつの事象(或いは事件)の事が通して描かれておりまして

人のエゴに絶句
淡々と丁寧な言葉遣いの分
その浅ましさがより際立つと言いますか、吐き出される言い分がみっともなかった
釣られる方も騙される方も悪いのでしょけどね
なんか真理子さん憎めなかった。

生きにくい世の中を
みんな懸命に生き抜いている
大声で誰かを罵って嗤い優位に立とうと必死な誰かも
嗤われまいと人の目に晒されまいと息を潜める誰かも
土台には同じ哀しみを持っているのかなぁなんて
読んだ後しばらくたった今ではそんな事も思います


逝ってしまう人、遺される人

もう十分な思いの交わし様なんてきっと無い
どんなに頑張ったってそれは出来ない
そんな事を思いました

唯そう思いました。





初読みの作家さんでしたが
もしかしたらしっかりオカルトホラー書いていらっしゃるのかもぅ!
文体がすごく丁寧で読んでいて心地よかったのです
個人的には他の作品もいろいろ読みたいな、そう感じました
探そうっと。

『映画館』の感想は、また後日(いつになるやら)