笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

『卒業・加賀恭一郎シリーズ』 東野 圭吾著/講談社

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7人の大学4年生が秋を迎え、就職、恋愛に忙しい季節。ある日、祥子が自室で死んだ。部屋は密室、自殺か、他殺か?心やさしき大学生名探偵・加賀恭一郎は、祥子が残した日記を手掛りに死の謎を追求する。しかし、第2の事件はさらに異常なものだった。茶道の作法の中に秘められた殺人ゲームの真相は!?




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大好きな加賀恭一郎さんシリーズを掘り下げてみようと思いましたらば
なんとこんな時代にまでさかのぼるという顛末。驚きました。

この作家さん、私にとっては、探偵ガリレオシリーズか、加賀さんしか心に響かず。
たまに最後まで読めない作品にも出会ってしまうという不思議なご縁の作家様なのです。



時代は、昭和、えーーーーっと50年代くらい?
グループの女子のお兄さんが学生運動に加わっていたとか、そんな話題も出る、そんな時代なのです。

就職活動や、人生観が、とても懐かしく
だから、そのことが理由で起きてしまう出来事がとても悲しく無意味に感じられました。

この時代に重んじられる価値観は、然程しないうちに変化をするのです
家族の在り方、男女の関係、職業の選択。
早まらないで、周りをちゃんと見て。
読み進めながら、平成を生きる私は何度も彼らに話しかけているのでした



加賀君は、相変わらず加賀君で。
卒業してすぐは噂の教職に就く、という選択をやはりしていた
お父さんは現役でした。不思議。

ここから続いたんだ、そうなんだ。
時系列をひっくり返して読む、わくわくした感覚。ちょっと楽しみな、始まり。