笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

「敗者の告白」/深木章子著

一人一人が述べてゆく、自分の考えや自分がしたこと、自分が見たこと。それぞれの食い違いがあって思い違いがあって、そして思惑があったはず。でも結局、思惑通りに物事が運んだからって、幸せになれるとは限らないし、その後の人生が望みどおりに満たされるものとは限らない。妻の裏切りに気付いてしまったら、娘を事故で失ったら、人はそうまでなれるのか分からなかったし、友人を裏切った後ろめたさがそうも簡単に解消されるのかも分からなかった。
結末には何となく心のどこかで納得して、それなら憎んだままでも、一緒に生きていればよかったんじゃないのと感じたけれど、自分がその立場に置かれたらどうするのかは、少し考えたけれど想像できなかったから、私も同じ事考えるのかなと思ってしまった。個人的に物語の終わり方が、大好きでした。