笑う門にも福は来る。

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

「愛しの座敷わらし」・荻原浩









「愛しの座敷わらし」・荻原浩



東京から田舎に引っ越した一家が、座敷わらしとの出会いを機に、家族の絆を取り戻す、希望と再生の物語。




 いろんな方が既に読まれてて^^ あちらこちらで感想はチェックしていたんですが



 良かったです。



 ワタシ的にはとっても好みのストーリーで。

 夫と妻の間で交わされるやり取りはいかにも荻原氏ぽくって、そこも好きでしたvv



 初めは「新しい土地」「理想の家」に住み人生の転機を前向きに生きようとする夫

 夫の策略に渋々ながらも 巻き込まれてしまう妻。



 ・・・そしていつの間にか。



 夫の方が田舎暮らしに辟易してしまい、妻は自分のペースでその土地で生きてゆくことに馴染んでしまう。

 かなり笑えてしかも、そこが「男女」の違いかもぉ~vv

 となんだか愉快でした☆



 半ば自棄になって転校を受け入れるお姉ちゃん。少しずつ新しい土地で「友だち」を作ってゆく。

 ひ弱な体にも負けじとかっちゃんのサッカーについていこうとする弟。



 それぞれが新しい土地で何かを見つけ始める。



 そこに。絡んでくるのが「座敷わらし」★

 その存在が巻き起こす不思議な現象をきっかけに、なんとなくばらばらだった「家族」がお互いを思い始める。

 相手の気持ちを受け止め始める。

 その気持ちが寄り添ってゆく過程がとっても素敵でしたvv



 そうして家族が「座敷わらし」と生きてゆくことを受け入れ始めてゆく時に

 この存在の由来も、なぜその家に存在しているのかも、この家族は知るのです。

 

 「なぜ、言葉を話さないのか」 

 「なぜ、食べることを知らないのか」

 すべての「なぜ」が繋がる時 人の営みの歴史のかなしさや残酷さに胸が苦しくなります。




 何だかただの家族の物語では無かったな~vvvv

 そんな感じ。

 あったかくもあり寂しくもあり。でも、素敵なお話でした^^




 そしてあのラストも・・・

 ぅうふふ~♪

 ってなりながら本を閉じたのは     言うまでもなくハート