笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

『死ねばいいのに』・京極夏彦著


***







死にたかったのは、誰。
殺したのは。



















タイトルからして、強烈
でもキーワード


幸せだから死にたい
不幸でも死にたくない

だから人は、面白い
なんてですね改めて気づかされる




誰が殺したのか
殺された彼女はどんな人だったのか
問われることに幾ばくかの後ろめたさを抱く人々
真実を抱える彼

もしやとは思いましたが
やっぱりそうで
でもそんな事よりもやはり


「死ねばいいのに」

その言葉の使われ方に、ただただ驚嘆。


この言葉を言わせるまでの会話の運びが
凄く自然で
でもちゃんとそこへ行きついて
そうして問われる人々に息を呑ませる
疑問を置き去りにする。

厭らしさばかりが際立つように思えるのですが
その最後の彼との別れ際に
彼らの何かが変わっているような気がしたのです
そんな風に思えて
そこらへんがまたこの作家さんのあの独特の読後感へと繋がるのだろうなぁ
あぁ好きだなぁなんて思いつつ



最後の章で
愕然と。



確かにそう
不思議で不可解な彼女の思考
ワタシは寧ろ
それ以上の幸せは望めないかも、それならもういいかな
そんな気持ちもあったのではないかと思うな、などと
意地悪な読み方もしました。

面白かった


あの厭らしさは、天下一品。
でも、何だか爽快。






しかし一番驚いたのは
文庫版の解説が
辻村深月氏であったこと・・・・・!