笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

『わたしがいなかった街で』柴崎 友香著/新潮社

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2010年の世田谷から、1992年のユーゴスラヴィアで、そして1945年8月14日の大阪で—。1945年に広島にいた祖父。大阪で生まれ育ち、2010年の東京で一人で暮らす36歳のわたし。無職生活を続ける友人の中井、行方不明の「クズイ」…。戦争や震災など過去の記憶と、65年前に書かれた作家の日記が交錯し、現実の時間が動き始める。読むものを深い思索へ誘う傑作小説

*目次
わたしがいなかった街で
ここで、ここで




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心の再生、まで辿り着いたかどうか。どうなんだろう。
ただ凄く、本当にすごく何かが伝わる物語です。

でもって、今現在も、じわじわ何かが広がってるんですよね、私の心のなかに、進行形で。


延々と観続ける映像
あの感覚、他のものには変わるけれども私にも在る、そう思いました。
自分ではない、どこかの誰かの景色に逃げ込む、と言いますか覗くというのか
あの気持ち、なんだか分かる気がした。


哀しみとか寂しさとか
抱えて続く毎日とか
何事も起こらないけれども人の営みは物語ではないのかな
なんだか今はあの物語を読んでそんな事を考えている。



あのね、読んで見て欲しい
貸してあげたい、かも。
読んで、思って欲しい。自分に芽生える感情を、想い続けて欲しい。