笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

「悪人」・吉田修一







保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。加害者と被害者、それぞれの家族たち。群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。なぜ、事件は起きたのか?なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。




 誰が悪かったんでしょうか。



 もともと・・・  何がこうなっていったのかな。  どうして こうなった???

 読み進むにつれ そんな想いが 大きくなってゆきました。



 殺された女の子。 約束した男でなく 偶然出会った知り合いの男についていく。

 「なりたい自分」を追い求めていたのかな 哀れな女の子。



 偶然出会った女を 車に乗せ 結局は 山の中に置き去りにする男。

 そんな女を 笑い。  女の家族を笑う男。



 友達の 行為に違和感を持ちつつもそばにいる男。

 娘を殺された父親の 「生きた感情」に触れ 何かが 変わる男。



 自分の育てた娘の現実を知り 命が奪われた悲しみと同時に その現実とも向き合う夫婦。

 

 息子を捨てた 母親。



 母代りに孫を育てた老夫婦。孫に頼る生活に少なからずも 幸せを感じている二人。



 出会った人を 失うのが怖い。  あの日の母のように。 もう二度と 会えなくなるのが 怖い。

 「置き去りにされた」ことを 謝ってほしくて 追いかけた男。

 女に騒がれ ・・・・・。



 「一緒にいる」ことを ただ望んだ女。

 それが 殺人事件の犯人だと分かっていても。  逃げるコトを望んだ女。





 誰が悪かった???



 凄く すご~く考えました。

 はい  人を殺すことが一番 きっと 「犯罪」  そうです。  それは分かっています。



 ただなんだか・・・・  う~ん><

 始めから この女子には  「はあああああ???」 て感じで 同情の余地なし!!

 あの 鶴田って 大学生も^^;   嫌悪感 すら覚えました。



 あの二人が切なかったかな~  見つかるって分かってて 余計に 切なかった。

 

 彼は ホントに殺そうとしたのかな??  違うような気もするけど・・・

 彼女を  「被害者」に しないといけなかったのかな???




 一つの事件の中にも  こうやって

 「加害者」とか  「被害者」とかって  簡単に分けられない そんなこと

 当り前にあるんだろうな・・・   そう思いました。




 ・・・・だって。



 彼が 一番悪いの?