笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

「斬られ権佐」・宇江佐真理









「斬られ権佐」・宇江佐真理








好いた惚れたは八丁堀の顔にひとすじ体に八十八の刀傷。おとこ権佐のこころ意気。江戸暮らしの哀と歓。連作時代小説。




 体中に88か所の刀傷を負う権佐。医者の妻を持ち 不自由な体で十手持ちの小者を務め 実家の仕立て屋の仕事もこなす。そんな彼や 彼の家族・周りの人間を中心に描かれた短編集です。



 ええ。    モチロンやっぱり。

 ・・・・・泣けちゃうんです;;

 最近ワタシ多すぎっ    年のせいかな~^^;    泣いちゃうなぁぁぁ><

 ってゆうか。   悲しすぎ。

 分かってるけど。  そうなって当たり前だし そう思うけど。    でも。



 宇江佐サンの作品は   だいたいそう。   そうなんです。

 小説の中であるのに キッチリvv現実が その中にある。  ちゃぁぁぁんと、ある。




 物語の始めから 権佐の体のコトが  その理由が  詳しく説明されているわけではなく

 少しずつ  その登場人物たちの  会話の中から 読み手は知ることが出来ます。



 刀で その体を切り刻まれても 好きな人を 守りぬいた権佐。

 必死の看病で 権佐の命をこの世につないだ あさみ。

 その娘 お蘭。

 必死で 今を大切に 生きてゆく家族。   愛おしいです。




 数馬の小者を務めながらも  段々と権佐の体は弱ってゆきます。

 頭痛。吐き気。めまい。腹痛。

 今でこそ治ってしまう 大けがでしょうが  きっとこの時代では 生きていけていることの方が

 奇跡なんでしょうねぇ・・・



 「死」に近づいてゆくからだと 向き合いながらも

 娘の花嫁衣装や 妻の留袖を 作って残しておきたいと 考える権佐。

 そんな態度に 耐えきれないあさみ。



 そうして お花見の季節。

 かどわかされた お蘭を救うため 権佐は 捕り物へ出ます。





 斬られ権佐は  妻の為に88か所の刀傷を作り



 娘の為に 刺されてしまう。




 愛する者の為に 生き抜いた。   そんな江戸の お話。