笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

「晩鐘 泣きの銀次 続」・宇江佐 真理









「晩鐘 泣きの銀次 続」・宇江佐 真理



小間物問屋・坂本屋銀佐衛門こと銀次も40歳、不惑の年を迎えた。殺された妹と同じ名のお菊を助けたことから、再び十手を握って、江戸市中を騒がす娘拐かし事件の解決に乗り出す。死人を見ると涙が止まらない、かわった岡っ引き・銀次復活。10年の時を経て、不惑の銀次が拐かし事件に乗り出す。ご存知、人気捕物長編。 




 前作では 妹が殺害された事件を やっとの思いで解決し

 亡くなった弟の代わりに 小間物屋の主人となった銀次

 二度の火事で お店は縮小し 妻と必死で働きこどもを育てていて

 そんな時に 一人の娘を 救出し、銀次の生活はまた 十手を握るところへ

 読んでいるコチラも 少しずつ 銀次と一緒に「あの頃」へ戻ってゆきます



 10年の時が変えたもの。

 ヒトの暮らし。 家族。 人間関係。

 そして、ヒトの心。



 信じてもいいと思っていた人に、当然のように裏切られる。

 切なくもあり、でもそうかなと   思わないでもなかった  ・・・かな。



 ひとつひとつ 銀次が関わることによって 何かが動いて誰かの肩の荷を楽にさせてあげる。

 心配してくれているヒトがいてくれるだけで 頑張れることがある

 銀次サンって そんなヒト。  

 フツーのおじさんなんだけど、そこがイイの。




 この作家さんならでは(いつも書くんですが^^;)

 本当によくあるような人とのやり取り。そして痛いほどの現実。読んでいて胸が締め付けられることも。



 でも、そこから目をそらさず しっとりと表現してくださるから

 ワタシは好きですvv



 誰のために生きているのか 分からないことはよくある。

 でもそれでいいのかも。   今生きてるから。