笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

「涙堂 琴女癸酉日記」・宇江佐真理









「涙堂 琴女癸酉日記」・宇江佐真理



この町と人々を慈しみ、元同心の妻・琴が綴る笑いと涙と優しさに溢れた日々。江戸市井小説の名手が描く連作短編集。 通油町で琴女が過ごしたほのぼのとした毎日。夫の不審死の真相を息子たちとともに追いつつ、通油町での日々をつづる琴女の優しい眼差し。


 決して手繰ることのできない糸。  追い詰めることのできない罪。

 悔しくても 見ているしかできない自分。



 そう言った想いって、小さな事なら誰でも経験あるかも・・・なんて思ったり。

 不器用で誤魔化せない子どもだけが、先生や親に見つかって怒られたり。

 ふとそんなコトを思いました。思い出しちゃった。




 旦那さんを失って二男の絵師の元へ身を寄せる武家の妻。

 戸惑いながらも 昔馴染みとの仲を支えにしつつ自分の「居場所」を作ってゆく。

 その逞しさが微笑ましくもありました。  女って、凄い!エライ!まぁ、男のヒトもそうかも。



 その暮らしの中で、自分のこども達との関係や幼馴染の親子関係など・・・

 「世代の違い」もあんま今と変わらないのねぇ^^; なんておもいながら読み進めました。



 全体を通して描かれているのは、お琴さんの旦那様の「死」の真相。

 息子たちや娘婿達がその「事故」を追いつつ真相に近づくと、彼らまでにも危険が及ぶ。

 「真相を知りたい」

 「知りえても命は戻らない」

 「知ったところで自分たちには手が出せない」



 身分の違いに 歯がゆくなり、身動きが取れない。

 この部分は切なかったです。



 結局は真相も犯人も分かるのですが、何も出来ずそのまま。

 でも時代と景気の流れにより、犯人達は自ら自分の首を絞めることになってゆきます。

 ・・・そんなものよね~。   と、実感。  ぅんぅん><悪いことはできないのッ!



 

 最後の方で お琴とサンと親分さんとのふんわりした気持のやり取りが

 切なくもあり 愛しくもあり・・・ハート

 こうやってず~っと相手を思いつづけるのて良いな、イイですハート