笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

「甘露梅 お針子おとせ吉原春秋」・宇江佐 真理







岡っ引きの夫に先立たれた町家の女房、おとせ。時を同じくして息子が嫁を迎えたため、自分は手狭な家を出ることに。吉原で住み込みのお針子となったおとせの前には、遊女たちの痛切な生の営みがあった。さまざまな恋模様、その矜持と悲哀。そして自身にもほのかな思いが兆しはじめ…。今宵ひと夜の夢をのせて、吉原の四季はめぐる。哀切の傑作時代小説。




 切な~い。  全体的に切ないお話。

 短編なのですが おとせと 吉原に生きる人々が中心・・・



 チョット前に 伊左次シリーズで お文さんの「深川芸者」に触れていただけに

 ここで登場する 「吉原芸者」サンたちの 言葉づかいに・・・ 感動^^

 おもしろかった~vv  ココは ね。



 同じ在所から 吉原へ 身を投じた男女。

 いつかは 結ばれると信じ 必死で生き抜いてゆくけれど 女には身受けの話・・・

 何も 言うことのできない 男。

 そして 身受けの直前に 吉原は大火に呑まれ・・・   そうして  二人は。



 信じた男に 連れて来られ 騙されたと分かっても もう逃げることはできない。

 生き続けてきた 女の前に もう一度男が あらわれた時

 女は。



 好きあった者同士 でもここから逃げることはできない。

 諦めるか。  死ぬか。

 夢を見た女。   逃げようとした二人。

 大門をくぐりぬける前に  振り向いたその時   そこにいたのは。




 一つ一つの  お話に

 「吉原」と言う場所の   そこで生きてゆく 生きてゆかなければならない人々の

 切なさや 強さが  淡々と けれど優しく描かれています。



 最後に 結ばれた 二人。

 最後まで一緒だった 二人。

 人の一生は どこで幸せが訪れるかなんて   分かんないもんだなぁ~  と



 しみじみ。