『一鬼夜行』 小松 エメル/ポプラ社
*
江戸幕府が瓦解して五年。
強面で人間嫌い、周囲からも恐れられている若商人・喜蔵の家の庭に、ある夜、不思議な力を持つ小生意気な少年・小春が落ちてきた。
自らを「百鬼夜行からはぐれた鬼だ」と主張する小春といやいや同居する羽目になった喜蔵は、次々と起こる妖怪沙汰に悩まされることに―。
**
ずっと気になっていて、とても読みたかったのです
始まりの一文から虜。
禍々しさと優しさと切なさ。その他にも、ありとあらゆる感情が描かれておりまして。読み応えがありました。
好きな世界と時代背景でもありましたので、満足の一冊。シリーズは読破する予定。未購入ですが。
人外のものの存在を通すと、より人の有り様が浮き彫りになるのですよね。
このジャンルの、其処のところは何冊読んでも読み飽きない私でありまする。好きなんですよねぃ。
人として、自分はどう在りたいのか。何を目指すのか。いつも考えさせられ、いつも答えはでないのです。
もう何冊も、読んでいるのに、同じ問答を繰り返す胸中。
想いの強さは、時として
どんな力も或いはどのような障害をも越える時がある。
これからが楽しみな、そんな物語。シリーズの幕開け。ふふ。
**