『光待つ場所へ』 辻村 深月著/講談社
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例えばその場所へ辿り着けたとして
しかし其処には何も無くても
行こうとしたことが、目指したことが、そうして、辿り着いたことこそが
大切なんだ。きっと。
大学二年の春。清水あやめには自信があった。世界を見るには感性という武器がいる。自分にはそれがある。最初の課題で描いた燃えるような桜並木も自分以上に表現できる学生はいないと思っていた。彼の作品を見るまでは(「しあわせのこみち」)。文庫書下ろし一編を含む扉の開く瞬間を描いた、五編の短編集。
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冷たい光の通学路
全体のプロローグ、エピローグとして位置しているのかな
其処のところの意図はよく分かりませんでした。
彼と彼女の今と今。
何処かに希望があるのか、それとも無いのか。そこも読み取る事は出来ませんでしたが。
教えて貰えてうれしかった。書いてもらえて安心した。そんな気持ちで読みました。
しあわせのこみち
あやめちゃんだ。元気だったんだ。
ひとつを乗り越えて、新たな世界へと一歩踏み出す。
躓いて転んでもそれでも、今のあやめちゃんなら大丈夫だろうな。どんな答えを貰ったとしても。
ラストの勇気に、読む者も胸が詰まった。がんばれ。
アスファルト
こちらも久し振り。掴めなさも相変わらず。
淡々と語るけれど、冷静に思い出しているけれど。それはさぁ、なんて思っとりましたら。
後半は揺れに揺れたなぁ。でもきっとそれが良いのだ。
やり直せはしないだろうけれど、これからはきっと違う繋がりを結べるはず。ね。
チハラトーコの物語
痛々しさと逞しさ。それでも前を向く潔さ。
直視できない何かを孕みつつ爽快でした。振り切ったあの感じ好き。
樹氷の街
電車で読んで、涙を堪えるのに必死だった。ふぅ。
多恵さんにあんな風に言わせるとはー!でしたね。
以外にも続編的で、知らずに読んだので得した気分!
しかも解説があの作家さんってゆうダブルのお得感!
この作家さんは読んだ後に、自分の日々を丁寧に生きてゆこうといつも思わせられる。戒め。
明日も、頑張ろう。
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