笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

『通天閣』西 加奈子著/筑摩書房

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『さくら』で彗星のように華やかなデビューを飾った西加奈子の第4作にあたる長編小説。
どうしようもない人々が醸し出す、得体の知れないエネルギーが溢れている大阪ミナミ。
社会の底辺でうごめく人々の愚かなる振る舞いや、おかしな言動が町を彩っている。
主人公は、夢を失いつつ町工場で働く中年男と恋人に見捨てられそうになりながらスナックで働く若い女
八方ふさがりに見える二人は、周りの喧噪をよそに、さらに追い込まれていく。
ところが、冬のある夜、通天閣を舞台に起こった大騒動が二人の運命を変えることに…。
この作品で第24回織田作之助賞を受賞している。 ←知らなかった!



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「私達は、別れたわけでは、無い」
鏡に言い聞かせる日々、何となく分かる。

今までを、納得がいかないままで無かった事にはされたくない
勝手に次に進まれても自分の毎日は追いつかない
それでも続く毎日を
それでも生きてゆく強さなんて
人は誰しも備えている訳では、ないのだ。


むちゃくちゃなようで、実はしっかりと繋がっている展開
突飛な場面から導き出される、彼らの決断が、優しくて前向きで
相当に笑いつつも泣けてしまうという、この作家さんならではの醍醐味を満喫。


面白かったです
一家に一冊あ常備本としてあると良いと思うのですよ。本気で。







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ええと
3日間くらい?