笑う門には福も来る

鈍間な主婦の気儘で憂鬱で有頂天な日常。

「最後の記憶」・綾辻 行人









「最後の記憶」・綾辻 行人



若年性の痴呆症を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖」の記憶だけだった。バッタの飛ぶ音、突然の白い閃光、血飛沫と悲鳴、惨殺された大勢の子供たち…死に瀕した母を今もなお苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのか?本格ホラーの恐怖と本格ミステリの驚き―両者の妙なる融合を果たした、綾辻行人・七年ぶりの長編小説。 


 ビックリしました。いやだって!  そうなの?

 推理小説家と・・・だって事件ッポイしさぁ~^^;



 母の病が遺伝性であることを知り、自分のこれからに恐怖を抱く。

 養子である母の歴史を探ることにより、母以前の病気の遺伝性を確かめようとする。

 でもその決心に至るまでにも、悩み続けるのです。

 ホントに唯ちゃんがいなければどうなっていたことか@@(リアルに心配)



 生家では男子が外腹に生まれたため、養子に出されていた。

 しかも6歳までは「男子」として名前も与えられ暮らしていた・・・

 しきたりとはいえ、幼い子供には辛い毎日だったことでしょう。

 しかも本当は正妻の子ではなく、やはり母自身も外腹の子であったのです。



 遺伝性は・・・・・なかった。

 ただそこだけに囚われすべてに自暴自棄になってしまう彼には正直呆れましたが・・・・

 そういうものかもしれませんね^^;



 「ねえ君。

 生きているのは楽しい?」



 荒んだ彼の心に付け入るように現れるキツネのお面たち。

 すべてから逃げるようにバイクに乗って走り出した彼は、転倒し、けがを負って山中へ。



 どこでもない 「ここ」

 君は君。僕は僕。僕は君。

 繰り返される言葉に戸惑いながらも、彼はその世界へ足を踏み入れてしまう。

 すべてから逃げ出して。



 そして、男子として生きてゆくことから逃げ出してきた母と・・・・出会ってしまう。




 母をこの世界から出さなければ。ここから逃げ出したいと思わせなければ。

 そうして彼がとった行動は。




 衝撃でした。 

 「えぇぇぇぇぇ~!」って本に突っ込んでましたよ☆

 そういうことだったんですね・・・・




 すべてを知ってしまっても、分かっても。

 母の病気は進行してゆきます。もう、動かない。

 そんな母へ向かって彼は言うんです。



 「あの殺人犯はね・・・・」